kazu1961

ミリオンダラー・ベイビーのkazu1961のレビュー・感想・評価

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)
4.0
「ミリオンダラー・ベイビー」
原題「Million Dollar Baby」
2005/5/28公開 アメリカ作品 2018-173
アカデミー賞作品賞再鑑賞シリーズ
20005年第77回 アカデミー賞作品賞

さすが、イーストウッド監督ならではの精緻かつリアルな人間描写ですね。
前半戦の「ロッキー」のようなスカッとするサクセスストーリーから一転(ここからが本作品の真骨頂)、後半戦は扱う題材としては非常にセンシティブな(かなりの論争が様々な場面でおきました)「尊厳死」を取り扱っており、観る人の価値観をも試されるそんな作品に仕上がっています。
至る所で二人の主人公がアイリッシュ系アメリカンであることの複線を貼り、そしてそのアイリッシュ系アメリカンの約90%は厳格カトリックの信者であることから、更に「尊厳死」に対する価値観・判断がより重たくなるよう意識付けしてるところも流石です。
そして、それぞれが家庭に問題を抱えて孤独であること、なのでより本当の親娘以上の感情・繋がりが二人の間に出来上がっていること、そこからのラストは本当に心が揺さぶられます。
非常に繊細な作品、イーストウッドの傑作よひとつですね。

監督・製作・主演はクリント・イーストウッド。出演はヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン。2000年に発表されたF・X・トゥールの短編集「Rope Burns:Stories From the Corner」を元にポール・ハギスが脚本を担当。アカデミー作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞の主要4部門を独占したのを始め、多数の映画賞を受賞した。公開当時74歳であったイーストウッドによる25番目の監督作品である本作品は、3000万ドルの低予算と37日という短い撮影期間で製作されながら、2003年公開の「ミスティック・リバー」に続き作品の完成度の高さと従来のアメリカ映画との異質性を高く評価され全米だけでも1億ドルの興行収入を記録した。
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