滝和也

ミリオンダラー・ベイビーの滝和也のレビュー・感想・評価

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)
4.0
モ・クシュラ

誇りある人生…。
その光と影。

ボクシングと言う道を
人生と言う道に重ね合わせ
世に問う傑作。

「ミリオンダラー・ベイビー」

イーストウッド始めました。
現代最高の名監督を上げれば、恐らく名が上がるクリント・イーストウッド。人間を繊細かつ、重厚に描くスタイルに恐れをなし、今まで見てきていませんでしたが、そろそろ書いていきます…。

繊細かつ重厚。正にその言葉の当てはまる傑作でした。31歳の女性がボクサーを目指し、心に傷を負う老トレイナーと共に進む、一見、ロッキーを思わせる導入から、後半一転し、人生の尊厳、誇りある人生を問う多層的な展開を見せる重厚なドラマです。

緻密かつ繊細に組み込まれた伏線が、後半生きてくる。老トレイナー、ダン(クリント・イーストウッド)の人生、元ボクサーであるスクラップ(モーガン・フリーマン)の人生、そしてマギー(ヒラリー・スワンク)の人生が交差することにより生まれるアメリカンドリームの光と影を見事、映し出しています。

その光が眩しいほど影は増し、その姿や結末が心を抉る…。アメリカ人の多数を占めるアイリッシュ、その信仰を集めるカソリックの宗教観を根底に引いているため、その心の動揺は賛否両論となっています…。


当代きっての名優二人にはもう語るべくもないでしょう。人生の終末に近づいた、傷つき疲れた老勇者二人。そこに現れた光、ヒラリー・スワンク。彼女には、ボクシングしかない…、見事なまでにそう演出されており、クリントとの繋がりが深く深く、演出されていました。その演出に見事答える真っ直ぐな魅力ある演技でしたね。

私はあのラスト…答えはありません。ただスクラップの言葉のみを信じたい…。人として。

追記
現在、営業であり、若手のトレーナーもやってるんです。真っ直ぐな女の子のケアはできれば、やりたくないんです。現実に打ちのめされ、悲しむ姿を見たくないから…。でもその中でも奇跡のような子たちもいて。支援しながら、辞めないで欲しいと言う気持ちで一杯になります…。