心が、静かにではあるが激しく揺さぶられる。
サッコ&バンゼッティ事件。
1920年代のアメリカ。共産主義、無政府主義、労働争議、移民問題、、不穏な世相の中で起こった実際の冤罪事件。いや、国家権力による殺人。明らかに見せしめ殺人。
イタリア移民で貧しい労働者の二人は、アナーキースト(無政府主義者)ということで、強盗殺人事件の犯人に仕立て上げられる。
裁判のシーンが延々と描かれ、証言の曖昧さが立証されていくが、最初から判決は決まっているよう。
彼らへの不当な扱いや魂の叫びは、世界中の人々に伝わるが判決は動かない、、。政治利用されるのではなく、個人として生きたかったであろう彼らの無念に胸が詰まる。涙すらでない。
エンニオ・モリコーネのスコアが沁みる。そしてジョーン・バエズが歌う主題歌も素晴らしい!
多くの方に観て頂きたい。こんな時代もあった、、ではなく、今も起こりうる事として。