英国外交官フレデリック（ハーバート・マーシャル）の妻マリア（マレーネ・ディートリヒ）はパリでハルトン（メルヴィン・ダグラス）と出会い恋に落ちる。情熱的なハルトンと夫の愛情との狭間で苦しむマリアだったが、夫とハルトンが意外な縁で繋がっていたことから、思わぬ事態に陥ってしまう。
テーマは重いけど、それぞれの場面の描写が美しくて、セリフもとてもロマンチック。
物語としては、終盤の心理戦が見どころだ。マリアの度胸と戦略が生み出す、3人の駆け引きと心の変化が巧みに描かれる。
あれだけ焚きつけられた挙句に置いてかれちゃうハルトンはちょっと可哀そうだけど。
修羅場になりそうなシチュエーションを綺麗に終わらせているのは、さすがエルンスト・ルビッチ。
パートナーの大切さ、普段からの感謝と気遣いが大切って教訓だろう。
実は、バーカー家の執事たちの舞台裏でのささやき、勘ぐり、噂話が一番楽しくてルビッチらしさが出てた。「ゴスフォード・パーク」ほどドロドロせず笑えた。
