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天使のmotoietchikaのレビュー・感想・評価

天使(1937年製作の映画)
4.2
不倫もの。人妻マリアがパリへ旅行し、一夜のアバンチュール。
そこで知り合ったホルトンという男は素性のわからぬマリアを「天使」と呼び、夢中に。

二人思い出のレストランではバイオリニストが二人のための曲を演奏してくれて、それが二人の思い出の曲にもなるのだが、マリアが家でそれを演奏していると夫まで「妻とその不倫相手の思い出の曲」を覚えてしまう。

マリア、夫、ホルトンの三人が集まる中盤の修羅場が最高。サスペンス的な緊迫感とユーモアが同居している。
夫が鼻歌で〈曲〉をふふふん、今度はホルトンが「私もいい〈曲〉知ってますよ。ふふふん」とやりだしてマリアがむちゃくちゃ焦るところがこの映画の象徴的なシーン。うーん巧い。
サイレントからトーキーになって間もない1937年の映画でここまで音楽をうまく使いこなしているのがびびる

また夫の執事のキャラクターが愉快。彼の存在によって夫婦生活もそれなりに円満だっただろうことが窺えて、そこがまたすごい。
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