エルンスト・ルビッチ監督、マレーネ・ディートリヒ、それだけでもう面白くないわけがないのです。
謎めいた始まりからの怒濤の口説き。もうね、直球。すごいね。映画みたいな男女の会話も楽しいけど、名前も知らないままのキスとか、やっぱりパリはすごい。
危険な香りがする天使、天使に言い寄る男。パリの花売りの少女(?)の目線が物語る事のなりゆき。見せないで観せるこの手法。こういうの最高に好きですルビッチ監督!!!
ハズキルーペも思わず割れちゃうほどのエンジェルヒッププレスにびっくりした。寝ている無防備にあれは痛い。まさに寝耳に水、青天の霹靂。土日の朝にやってくるうちの3歳児のボディプレスを思い出してしまうから、なんだか他人事じゃない。
そして、いちいち会話が楽しい。
楽しいけど、そこには揺れ動く女心と罪悪感のスパイスの味がしてどこか危うい。
また競馬場?
またこの展開?
ウィンダミアみたいだしルビッチさんの十八番なのかな。秘め事を秘めねばならぬ会話の妙。面白いなぁ。
ちぎっては投げちぎっては投げのパンちぎりの天使。給仕たちのやりとりだけで、見せずに観せるこの手法(略)
それにしても、男と女ってどうしてこうも出逢うタイミングが噛み合わないのか。理性が、しがらみが、道徳が人を縛る。だがそれもまた人生。頭では分かっていても、その衝動は押さえきれない。一度火がついた心は、たとえ消したと思っても、胸の奥底で燻っていて簡単には消せやしない。
しかして役者は揃った。いったいどうなってしまうのか。世界情勢よりも気になるクライマックス。いやあ面白い。
ラスト1分の衝撃にシビれた!!!!
ルビッチさん!!ついていきまーす!!
以下、本作のレビューと一切関係無いので読み飛ばしてください。
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夏の吸血映画で荒んでしまった私の心に一服の清涼剤を
個人的特集
天使たちの季節
天使っていつ来ると思いますか?
私は来ないと思います。
どうしてもって言うのなら断言します。
クリスマスです。
クリスマスにこそ天使はやって来るのイメージ。
あとはそうですね、秋から冬にかけて、秋雨前線が終わる頃ぐらいからやってくるイメージもあります個人的に。
それは、人生の秋から冬にかけてやってくる天の使い。
果たしてどんな天使たちに降臨していただけるのか、焦らずじっくりと確かめていきたいと思います。