テイアム

レスラーのテイアムのレビュー・感想・評価

レスラー(2008年製作の映画)
4.6
リングに立つランディの生き生きとした表情や控え室での若手との楽しそうな絡みを見ていると、それだけで私は何となく安心する。
生き急いできたツケとして体がぼろぼろになっても、外の現実がどんなに辛く、大切な家族や恋人を失っても、ランディが望むなら必ずここには彼の居場所があるのだと思えたからだ。
最後のシーンからエンドロールまで長いこと余韻に浸っていました。
クリント・マンセルの旋律やブルース・スプリングスティーンの楽曲も印象深い。
この役柄もミッキー・ロークの半生に重なっていたことと、あまりのハマり役っぷりに「彼の為に作られた映画」と言われていた。

挫折のない人生を歩んできたような者にこの役は務まらなかっただろう。

リング外での、彼のあまりに人間臭い仕草や表情には男ながら可愛げさえ感じたものだ。
それはランディとしてではなく、ミッキー・ロークとして。

ちなみにモデルになった実在のレスラーが誰なのか、実際に誰かをモデルとしたのかも分からないし様々な憶測はある。
最も有力なのは1999年にWWE(旧WWF:アメリカ最大のプロレス団体)の裏側を取り上げたドキュメンタリー映画「BEYOND THE MAT」(ビヨンド・ザ・マット)でも取り上げられたジェイク”ザ・スネーク”ロバーツだろう。
生き様が瓜二つだ。

栄光と衰退、埋まらない家族との溝、ドラッグ、狂った性癖。
当時はあまりの生々しさに嫌悪感さえ抱いた。

ミッキー・ロークはこの年のゴールデングローブやトロント、英国アカデミー、ロンドンなど数々の映画祭で主演男優賞を総ナメにしながら、アカデミーの主演男優賞は逃してしまった。その原因は前述のWWEとの関係にあったように思う。

当時世界最大のプロレス団体WWEに所属していた名レスラー、クリス・ベノワの衝撃的な無理心中事件とそれによって浮き彫りにされた業界内のステロイド問題で、社会的な信用を落としていたWWEと絡んだのが間違いだった。
アカデミー賞のノミネート作品がアナウンスされた後にWWE年間最大のイベント「レッスル・マニア25(09.4.5)」で試合するとかしないとか、当然アングルではあるが大切な賞の発表前にWWE側の挑発に乗るコメントを出すなど本人の言動等がメディアに大きく取り上げられたことでせっかく持ち直したイメージが悪化したのは間違いない。
それをアカデミー側が嫌ったからか、オスカー確実と言われながらも賞を逃してしまったのは、ミッキー・ロークもWWEも大好きな私としては、やはり寂しかった。

まぁ、色んな想いはあるが、男という生き物はリングの上でも外でも、大人になっても子供のままで、ホント馬鹿だなぁと思いつつ、そこが魅力でもあるのだ!と胸を張って言いたくなる、そんな映画。

ちなみにこの映画で、私はすっかりマリサ・トメイの虜♪
milfって素敵✼