G

レスラーのGのネタバレレビュー・内容・結末

レスラー(2008年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

ダーレン・アロノフスキーって完全に演出の人なんだと分かった。

ミッキー・ローク、マリサ・トメイらの演技力をフルで生かした秀逸な演出が最高。
あとは裏側?のようなものを映すのがうまい。例えばプロレスの段取りを決めるところや惣菜の作り方を教わるシーンなど。
現実にはあるけど映画には映らないものを、ある種シーンの盛り上がりを抑える方向に有効活用していることで観客は最初一歩引くんだけど、後半になるにつれてそれがむしろカッコ良く感動的に映るという綺麗な流れが本当にすごい。

そしてAというシチュエーションがA’になったと思ったら結局またAに戻って終わってしまう、っていう少し胸糞というか辛いエンディングも、人間なんてそんなに簡単には変われないんだと言われているようで、むしろ背中を押してもらった気分になる。

ただ所々でなんでここカット割るのかなっていう部分はあった。背中からキャラクターを追うカメラワークが多用されて、やっぱりミッキー・ロークの背中は絵になるし、いろんなものを語っていると思うからいいんだけど、不思議なところでカットが割れるのは気になった。もっと長回しをしてくれた方が生々しさが強化されたと思う。
G

G