タマカッパ

レスラーのタマカッパのレビュー・感想・評価

レスラー(2008年製作の映画)
4.1
プロレスラーの見方が変わったのはいつだろう。おそらく大日本プロレスのデスマッチを観戦した4年前。
最前列で見れば分かる、彼らの極限のパフォーマンスに八百長という言葉は合わない。観客のためにこれでもかってぐらい体を張ってくれるレスラーには敬意すら感じた。生粋の格闘家がプロレスを同じ格闘技と認めていない事実も一部ではあるが、プロレスはエンタメ要素を含んだ素晴らしい本気の格闘技であると私は思う。

私事はさておき…この映画、まるでドキュメンタリーを見ているようだった。
ランディが栄光に輝けるのはリングの上でだけ。絶頂期から20年……体が付いていかなけりゃ良いパパでもない、社会にも適合できない。そんな現実よりスポットライトのある虚構を選び、そこを理想とする姿はなんとも虚しいが、その虚しさこそが魅力の映画。ラストは筋書き通りにはいかないけど、ファンにとって忘れられない闘いになったであろう。

注)感情移入できなければ「あぃたたたた…。流れから想像つくよねラスト。」の二言で終わってしまう映画
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