いかえもん

レスラーのいかえもんのレビュー・感想・評価

レスラー(2008年製作の映画)
3.9
以前から見るのをためらっていた作品なんですが、なかなかしんみりとしたいい映画でした。

かつて栄光の座にあったプロレスラーの年老いた日々を描いています。今はプロレス自体の人気も低迷し、地方営業をまわっているけど収入も多くなく、スーパーでアルバイトしながらやっとの思いで生計を立てている主人公。そんな彼がある日心臓発作で倒れる。もうレスラーは続けられないと医者に言われ、これまで顧みてこなかった自分の娘との関係を修復し、引退してスーパーで働きながら余生を送ろうと決意したが…というお話。

以下ネタバレ気味なので、未見の方はここまでで。

自分の居場所ってどこなのかとか、生きるってどういうことなのかを考えさせられる作品です。
あの時、娘と食事ができていたなら彼はどんな余生を送ったのだろう…と思わずにはいられなかった。でも、それができない彼だから、この結末だし、また、運命が彼を選んだともいえるのかもしれないなとも思う。
しかし、ちょっと悲しすぎる結末で、辛かったです。人間は長生きするために生きているんじゃないとしても。

ミッキー・ロークは昔のセクシー色男っぷりがまっったくなくなってましたが、その演技の重みや深みは言葉にできない良さがありました。
マリサ・トメイはつい最近マーベルシリーズでも見事な復活を見せていますが、彼女の演技の幅はほんと広いなぁと思います。