2021.06.05(133)
U-NEXT・字幕
初
ブレッソン監督作品はまだ「ラルジャン」しか見たことがなかったが、すごく面白かったので今作も楽しみに鑑賞。
ナチスドイツ下のフランスで、監獄に入れられた主人公が脱獄を試みる話なのだけど、それはそれはもう息が詰まって心臓が苦しくなるほどハラハラした。
ブレッソンはプロの役者さんを起用しないことで知られているが、今作の演者たちは皆プロのように見えた。私がフランス語やドイツ語を知らないので、もしかしたらセリフの言い回しなどは棒なのかも?知れないが、全くそんな感じがしなかった。それぞれ特徴ある佇まいなので覚えやすい為、物語がスッと入ってくる。
私が好きな映画監督に「トランスポーター」で有名なルイ・レテリエがいるのだが、彼のお父さんのフランソワが今作で主人公を演じている。ちなみにフランソワも映画監督だったらしい。
多分低予算映画だと思うが、大金を掛けた派手な近代の作品よりもずっと見せ方に長けているように感じた。光と陰の使い方、またワンカットで説明する巧さに舌を巻く。
最後までどうなるのか分からないところも良い。