冒頭の車の中でのカットの切り替わりで魅せられちゃいますなぁ。無表情で独白ナレーションが多いという点では田舎司祭の日記に近い感じがする。しかしこちらは非常に細部の描写にこだわりが感じられ部屋間のやりとりや看守の近づき、他の人間が射殺されるなどが音で表現されている。音は終始聞こえるが音楽は場面が一区切りするタイミングでしか使用されていない。慎重さ=話の長さについては賛否があるのかわかりませんが、ちょっと長かったと感じた。でも全体としては会話が少ない中で映像的動きとそこに付随する音で語られるバランスが見事だった。
撮影は実際に刑務所も使って行われたけど、スタジオでの撮影もあり、通気窓しか明かりがない監房のシーン含め全部刑務所でとったように見せるため撮影監督は光の扱いに気をつけたとか。