亡霊怪猫屋敷の作品情報・感想・評価・動画配信

「亡霊怪猫屋敷」に投稿された感想・評価

horahuki

horahukiの感想・評価

4.8
めちゃくちゃ面白い!!
小林正樹『怪談』や中川信夫『東海道四谷怪談』はツボ中のツボで、色々日本の怪談映画を見ようと思って手に取ったのですが、とんでもない大傑作でした!

本作は現代編、時代編の二部構成。現代編は妻の療養のために北九州の古びた屋敷に引っ越してきた夫婦を襲う怪猫の恐怖を描くお話。時代編は、その怪猫が、怪猫となった経緯を描く時代劇。青味がかったモノクロ映像の現代編に対し、カラー映像の時代編という見せ方が印象的。

まず、現代編のクオリティの高さにテンション上がりまくり!静かな暗闇の中、廃屋同然の荒れ果てたお屋敷に初めて足を踏み入れる時の異様な雰囲気。母屋に向かう途中、ふと横に目をやると離れの扉が開いていて真っ白な服を着た老婆が臼を引いているのが一瞬映る。そこから長回しで正面の母屋→再度離れとカメラを動かすともう老婆はいない。こういったさり気ない恐怖演出が抜群にうまい。さすが怪談映画の巨匠、中川信夫監督です。

老婆の映し方が巧みで、長い白髪で白いボロという出で立ちによる強みとモノクロ映像を最大限に利用した素晴らしい演出の数々。あまり目立ったことをせず、ただそこに立っていることだけで恐怖を与えるという小細工なしの純粋な恐怖演出が最高すぎて感動しました。鏡を使った演出なんてのもウットリです。

時代編は『鍋島猫』を根底においた怪談。怪談ものは「封建社会への反発」というテーマを根底においていて、理不尽なことをされても文句も言わずにただただ支配階級に従わなければならないことへの不満や恨みが怪異として姿を現わしたものが多い。現実では歯向かうことができないからこその、怪異という死後の世界からのカウンター。一般的に幽霊に女性が多いのも、現実で男性に虐げられた女性の不満や恨みの現れ。『四谷怪談』なんてまさにそうですよね。

本作ももちろんその流れを汲んだ怪談で、頭がおかしいパワハラ家老に理不尽な理由で殺された男が大事にしていた猫(たまちゃん:可愛い(๑˃̵ᴗ˂̵))が、怪猫と化し家老含め一族末代まで祟るという物語。もちろん虐げられる女性というテーマもしっかりと盛り込み、社会に虐げられる男性・女性双方の恨みの代弁者として復讐を開始する怪猫の恐ろしくも応援したくなるダークヒーロー的なキャラクターが物語に引き込む。家老の屋敷に入り込んだ怪猫が内部から徐々に一族を侵食していくのはある種の爽快感すら覚えます。

この時代編を受けた上で現代編に再度戻ってくるのですが、老婆(怪猫)に篭った強い未練が現代編を恐ろしくも悲しい物語へと変貌させる。ここでも気をぬくことなく、声による古典的かつ効果的な恐怖演出により緊迫感を高めている。そして人の業の深さとある種の救いに帰結する幕切れもいかにも怪談的で素晴らしい。

『東海道四谷怪談』を見た時にも思いましたが、中川信夫監督は間違いなく日本が世界に誇るトップクラスの素晴らしいホラー作家。ホラー以外の作品の方が圧倒的に多い監督なので、そう言われるのは本人からしたら不本意なのかもですが、めちゃくちゃうまいんだから仕方ない!(笑)

怪猫ものがツボということがわかったので色々と見ていこうと思います。ちなみに怪猫映画は怪談映画の中でも最多作品数を誇る一大ジャンルで、本作が元にしている『鍋島猫(佐賀猫)』の他にも『有馬猫』『岡崎猫』の3つに大きく分かれます。作品数であの有名な四谷怪談をはるかに上回るというのが凄い。今では全く作られなくなりましたけどね(^_^;)

怪猫含め、怪談映画は当時の荒く薄暗い味のある映像、わざとらしい演技やセリフ回し等が大きな構成要素になってると思うので、今作っても絶対面白い作品は作れないと思いますが、一回全力で作ってほしいとも思います。
あー

あーの感想・評価

3.8
病院内に響き渡る足音。

一体、誰が近づいてきているのか...。

妻の療養の為、都会を離れ
親戚の空き家に引っ越してきた夫婦。
しかし、妻はたびたび白髪のお婆の姿を
目撃し、何度も襲われそうになるー。

果たして、その原因は。


モノクロとカラー。
現代と過去との表現が、
そうくるか!!と、ニヤニヤ。

化け猫の元「たま」が、
モフモフで演技力抜群←可愛さの演技

女性の薄眉にお歯黒。
こういう所しっかりしてる
時代モノ好き。

化け猫オババは案外可愛さあるが、
女中とオババの対決アクションは
見応えありましたぞ!!やるね!!

この監督さんのセンス好きかも。
と思ったら次観たので確信!!
『地獄』配信してくれー。

※ユー様配信ありましたー!!
 
猫がモフモフでかわいい。
最近猫動画にハマってるので試聴
唐猫感が良かった。

このレビューはネタバレを含みます

ようやく見れましたよ!
みたかったぁ
感想はねぇ
うーん、、
過去はなぜカラーで現在は白黒?見えにくい。
過去はなんか引き付けられたけど、さして物語がおもしろいかというとそうでもない。
でも昔の方の所作は勉強になります。
お伝

お伝の感想・評価

4.2
内容は昔ながらの怪談だけど、そのシンプルなベースに細かな見どころがたくさん散りばめられている。現代篇が白黒で時代篇がカラーというのがとても素敵です。
マニ

マニの感想・評価

4.0
60年以上前の作品と侮るなかれ。面白かったです。
真夜中、モノクロの病院を一人称視点でヒタヒタ歩く何か……足音が近づいてくる……怖いっ!
序盤からゾクゾクします。

時代編は一転してカラー。影の使い方や錯乱描写などがお見事。怪猫によるアクロバット傀儡もステキです。そして怪猫の出自が解き明かされていくドラマ。69分という尺もちょうど良いですね。

タイトルはもうちょっとなんとかなったと思う。
ババアの罠だ!

猫ババがあんたの恨み晴らしますとばかりにいにしえアベックの怨みを背負って屋敷の住民を殲滅にかかる!現代パートはモノクロで時代劇パートはカラーだ!普通逆だろ!


面白い。怖い。
掛け軸が落ちて部下呼んで「血だ!」って報告する間が面白かった。現代パートはちゃんと怖い。夫帰ってきたと思ってドア開けたらババアだったとか、実際にあったら地獄過ぎる。勘弁してくれ。他の中川信夫作品も観てみよう。


それにしても時代劇とホラーは親和性高いし、古典落語ものばっかじゃなくて創作の時代劇ホラーを作ってもいいのになとか思ったり。
令和でやっても怖かったら流行ると思うし。
意外とホラーって客入ってるし。
緊急事態宣言直前の、なんの宣伝もしてないスケアリーストーリーズの初日が満席だったくらいだし。
ミッドサマーもロングランだったし。
犬鳴村もなんでか知らんけどいっぱい入ってたし。

いけるいける。
アリアスターに憧れた新進気鋭のホラー作家、いっぱいいるっしょ。しょうもない映画撮ってる監督とかプロデューサーを実力で引きずり下ろせ。コネより才能の業界にしろ。企業は才能に投資しろ。一回くらい夢を育ててみろ。我が身可愛かろうがいつかみんな死ぬんだ。それなら若手を大きくしたほうがいいじゃないか。

あー、猫かわいいねー猫かわいいねー

四谷怪談インスパイアばっかりな気もする。喰女も確かそうだったと思う。映画館で先輩と観に行って2人とも寝たけど。
「暴れん坊将軍・怪談」みたいな、対クリーチャー戦のある時代劇があっても面白いと思うんだけどね。


まぁでもそういうのは銀魂があるか。

銀魂かぁ…。
うーん…。
…。
日本映画ってどこ向かってんだよ…。
題名から表紙から見て分かるように化け猫の話だが99%は気味悪いけど残りの1%は猫耳がピンっと立ってて意外とかわいかったりする
予算が足りないのを逆手に取って現在をモノクロ、過去のみをカラーにするという攻めた演出
長回しを効果的に使っていて、特にオープニングの長回しが怖い雰囲気たっぷりでそれと対比して爽やかなラストが印象強かった
新東宝の映画で時々見かける芸達者そうなおばあちゃん女優が、入江たか子の向こうを張った一本。
これで五月藤江という名前はインプットされた。ただ本作の演出で、本領を発揮しているとは言い難いが…。
また時代劇に登場する猫は、畜生ながら名優(←そういう台詞がある、私は猫好きです)。
青みがかったモノクロ映像の現代劇のほうが、映像は美しい。荒れ果てた屋敷の庭のセットも良くできており、ヒッチコックの『レベッカ』が彷彿とさせられた。
ただ妻役女優から発せられる唱歌調の台詞回しが、雰囲気に水を差している。

ホラー映画だからか、渡辺宙明の音楽も後年の『マジンガーz』ぽい。
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