「地獄が溢れると、死者が地上を歩く」
序盤のB級感が、ショッピングモール到着後は徐々に消え、最後にはアート映画のような不思議な味わい。舞台設定がショッピングモールでなければ、これほどのカルト映画にはなっていないだろう。週末になるとあてもなく集い、無駄なモノを買っていく米国消費社会への強烈な皮肉。
ところで本作のベストバージョンはどれなんだろうか？経緯を調べると、
❶まず映画祭にこの「DC版」を出品
❷その後劇場で「米国劇場版」公開（❶よりも短縮）
❸北米以外では「ダリオ・アルジェント版」公開
❹日本では❸をベースにした「日本版」公開
とこれだけある。
❶or❷のどちらがロメロ監督の本意かについても諸説あり。普通「ディレクターズカット版」の名を冠したほうがベターなイメージがあるが、映画祭のために慌てて編集した❶をブラッシュアップした❷こそ、最終確定版との説も。
確かに本バージョンの編集の雑さ（特にモール到着前）は酷いが、更に12分尺が縮んだ❷ではどうなっているんだろう。
