さすらい農場

ゾンビ/ディレクターズカット完全版のさすらい農場のレビュー・感想・評価

5.0
ゾンビ映画の父ジョージ・A・ロメロ監督の最高傑作。
中学生の頃に出会ってハマり、
[ボクはスプラッタ以外観ないんだヨ!]と豪語しては親を不安にさせていたイヤな子供でした。
いまだにホラーというジャンルを超えた傑作だと信じてます。(厨二病だと言わば言え)
[ゾンビ(DAWN OF THE DEAD)]は[①米国劇場公開版][②ダリオ・アルジェント監修版][③日本劇場公開版][④ディレクターズカット版]と様々なバージョンがあります。
まずは、それぞれの違いを一つずつ解説しようと思います。
いや、やっぱりやめます。
私のおすすめは④か①。決定的な違いはBGM。ショッピングモールで頻繁に流れるご陽気なメロディが、虚ろに徘徊する死者たちとベストマッチ👍
[空虚さ]を増して大量消費・物質文明に支配された人間社会への痛烈な風刺効果を高めています。
これはサバイバル感あふれるGOBLINのサントラとは別の[ゾンビのテーマ]として最重要。
このBGMの扱い方によって、映画の印象が全く変わります。
無自覚にさまよい貪欲に他者に食らいつく姿は、利己的に生きる現代人であり、第三世界から搾取し肥大する先進国であり、我々そのもの。
我らゾンビ🧟‍♀️🧟‍♂️
全編に漂う終末観と残酷ショックで増幅されるサバイバル感が生存本能を刺激する圧倒的なカタルシスなのです。
もはや好きを通り越して魂の一部。
ジョージ・A・ロメロ監督(2017年7月16日没 享年77)に敬礼!( -_- )〉