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名探偵コナン 紺碧の棺のbackpackerのレビュー・感想・評価

名探偵コナン 紺碧の棺(2007年製作の映画)
2.0
◾︎劇場版名探偵コナン第11作

【作品情報】
公開日   :2007年4月21日
作品時間  :107分
監督    :山本泰一郎
製作会社  :小学館、よみうりテレビ、日本テレビ、小学館プロダクション、東宝、トムス・エンタテインメント
脚本    :古内一成
原作    :青山剛昌
音楽    :大野克夫
撮影    :野村隆
配給    :東宝
主題歌   :『七つの海を渡る風のように』(愛内里菜&三枝夕夏)
出演(声) :高山みなみ、山崎和佳奈、神谷明、山口勝平、茶風林、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ、松井菜桜子、湯屋敦子、他

【作品概要】
劇場版2作目及び9作目に続き、海を舞台とした謎解きアドベンチャー作品となっている。
ダイビングが盛んな観光地の島というロケーションは、比較的都心部を舞台にしがちな劇場版コナンにおいては珍しい。

ルパン三世と公式にコラボしたクロスオーバー作品『ルパン三世VS名探偵コナン』(2009年3月27日放送)に先駆けて、ルパン三世と峰不二子が(コンビニ強盗の覆面という形で)登場。佐藤刑事の初恋の人はルパン三世であるという設定は、本作が初出。
ルパン三世側では、『ルパン三世 炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』(1998年7月24日放送)にて既にコナン・蘭・毛利小五郎がカメオ出演していたため、10年近い時間をかけての両陣営作品内登場となった。
なお、本作製作時点頃から、『ルパン三世VS名探偵コナン』の企画は進んでいたとされており、ある種の前哨戦戦略だったのかもしれない。

【作品感想】
まずは、私のコナンレビューにおいて通底する観点(触れていない作品も多いですが)である「悪役の魅力」という点について記載します。
本作の悪役はトレジャーハンター!……なんですが、まーこいつらもなんとも魅力のないこと。更に、悪徳ハンターとは別の意図を有する謎の人物が、状況をかく乱してくるめんどくささ。は~、まったく……。
トレジャーハンターたちも、一応果たすべき役割がありますので、いかにも三下の悪役として全力で嫌らしく振舞います。よく頑張ってます。でも、それじゃあダメなんですよね。物足りないし役不足。役を全うするという意味ではギリギリ及第点ですが、魅力不足は致命的です。
裏で手を引いていた真の黒幕ポジの人物も、最後までフワフワしてるし、決定力が足りません。まるで"覚悟完了"できていないなんて、残念極まりない。
どいつもこいつも、やるんなら軟着陸させようとするんじゃあない。ハードランディングするんだ。全身血濡れで地べたに這いつくばるまで。

作品自体は、蘭と園子の熱い友情を軸とし、「日本の孤島に女海賊アン・ボニーとメアリ・リードの残した財宝」を巡る謎解きを併せたアドベンチャーですが、18世紀カリブ海の女海賊二人が日本に来ていたという設定を、よく思いついたものですね。
とはいえ、史実を拝借するやり方は劇場版3作目でも作られているわけで、どうしてもそちらと比較してみてしまうのです。
そうして見ると、本作はかなり見劣りします。話全体が冗長で、盛り上がるポイントもいつものお約束だけ。ポケモンのロケット団や、アンパンマンのバイキンマンじゃないんだから、お家芸一本でいくのはどーなのかしら……。
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