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心霊 サーファーの死のmenokiのネタバレレビュー・内容・結末

心霊 サーファーの死(1996年製作の映画)
1.9

このレビューはネタバレを含みます

稲川淳二の「長い遺体/サーファーの死」を映像化した作品。

あらすじ

サーフィンを共通の趣味として連んでるリア充4人組がいつものようにサーフィンをしに海に出掛けた。
海に着き、各々サーフィンを楽しみ、ある程度の時間が経ったので集合したが何故か1人いない。
始めの内は心配していた3人だったが、優柔不断で女好きという事もあり、ほっといて再び各々でサーフィンを楽しんだ。
夜になっても戻って来なかったので、流石におかしいとは思ったが、女とヤっているという結論になり就寝。
スヤスヤと眠る3人だったが、深夜、突然旅館の女将が

女将「警察が来たから起きろ!」

と叩き起こされる。
警察が言うには

警察「さっき海で死体が上がった、ヤリチンのかも知れないから確認しろ。」

と言う事で死体安置所に連れて行かれる。
シートをめくると、ヤリチン本人だったので一同驚愕したが、やけにシートが長い事に気付く。
おかしいと思い、シートを全部取っ払って見るとそこにはヤリチンの太股に、ガッチリ両手でしがみついて、老婆が引っ付いていた。
警察によると、この老婆は4日前に身投げした地元の老婆のようだ。


以上が、稲川淳二が語る「長い遺体/サーファーの死」のあらすじだが、恐らくこの話は稲川淳二が語る話の中でも、かなり有名な話であり、個人的にはどちらかと言うと好きな話である。
正直、文字に起こしてみると別段怖い話という訳でもないが、稲川淳二がこの話を語ると途端に身の毛もよだつ恐怖話へと変貌を遂げる。

個人的に話が上手い人とは、話している内容に興味を惹かせ、話している本人がイメージした光景を聞いている人にもイメージさせる事が出来る人の事を指すのだと思う。

承知の通り、稲川淳二は話が非常に上手く興味を惹かせたりイメージさせるのは勿論のこと、
キャラクターの表情や仕草までイメージさせる。

一応、何度か怪談ナイトに足を運んだ事があるが、テレビやDVDで聴くのと生で聴くのでは全くの別物である。
序盤はユーモア溢れる会話で会場を和ませるのだが、怖い話になるや雰囲気がガラリと変わり、否が応でも彼の会話に耳を傾けてしまう(稲川淳二しか話してないから当たり前だけど・・・。)。
そして彼が話す毎にキャラクターの表情や仕草を容易にイメージでき、あたかも自分が体験しているかと錯覚してしまうような独特の緊張感か臨場感を作り出してしまう。
これにより、文字で見ると大した内容でないものでも、彼の語りによって背筋も凍る怖い話へと変貌を遂げる。

ヤブ医者でも治せなかった私の不眠症をいとも簡単に治してくれたので、もはや「唯一神 稲川」と呼称するしかない存在である。
そんな唯一神が語る「長い遺体/サーファーの死」、唯一神が語るとそこそこ怖い話なのだが、これを映像化した途端に神のお告げから汚物へと変貌する。

そもそも「長い遺体/サーファーの死」自体が大して怖くもない話なので、唯一神以外が手を出しても大した事のない作品になる事は火を見るよりも明らかだが、想像よりも酷い出来であった。・・・。

唯一神の語り通りのキャスティングは出来ているし、一応語りにキャラクターを行動させようとはしている。
ただ、この話に25分もの時間を使うのは余りにも長すぎではないだろうか・・・。
こんなんせいぜい5〜10分位の内容だろ!
唯一神には似つかわしくない不純異性行為を長々と映したり、少年時代の山下智久がサーフィンしていたりと意味のない描写が多く「ドラゴンボールZ」並に引き延ばしを図っている。
唯一神の語りでは、話はそこそこながらも一応最後まで興味を引く事は出来たが、本作の場合はただただ退屈でしかなかった。

そして、最も酷いと思ったのがオチでもある老婆がヤリチンの太ももにしがみついていたシーンだ。
老婆の造形は低予算ながらも頑張っているとは思うのだが、何故か太ももにしがみついているのを改変し、ヤリチンの股に座りながら胸を揉むといった、誰がどう見てもヤリチンと老婆が騎乗位をしているようにしか見えない。

恐らく、この光景をみた大半の視聴者はヤリチンが浜辺で老婆をナンパし、海中で性行為をしている最中に腹上死したと勘違いしてしまうのではないだろうか・・・。

「ターミネーター」のサラ・コナーとカイル・リースでヌケる人か、山下智久の少年時代を見たい人以外は観る必要のない作品だと思う。