ペルシャ猫

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのペルシャ猫のネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

やっと観れた!
映画セブンの後味の悪さを払拭すべく、きっとハッピーエンドだろうな、という期待を込めて鑑賞。

〜マット・デイモンといえば某シリーズで記憶喪失の黒髪で暗殺者から逃げ続けるイメージしかなかったので、金髪のブルーカラー役が滅茶苦茶新鮮だった〜

そうだよね、やっぱ”人”だよね、というのが1番初めに出てくる感想。
どんなに知識があって、人から羨ましがられるような天才でも、共同体の中で生きていく以上、人と関わっていかなくちゃならない。その中で傷つくこともあるし、愛を感じることもある。自分を立ち止まらせるのも、進ませてくれるのも、結局は人との関係性の中で見出される希望や失望なのだと思った。

セラピストのショーンがウィルの目をじっと見ながら”It’s not your fault”って何度も伝えるシーンが1番心に残っている。その言葉と、決して目を逸らさない真っ直ぐな視線からショーンの愛情深さを感じたし、それはまさにウィルがこの約20年間必要としてるものだった。

ウィルがショーンに出会えたことは幸運だったと思う。そしてショーンもまたウィルとの交流を通して止まっていた人生が動き出す。

天才であることは、ある面では孤高かもしれないけれど、喜びや悲しみなどといった感情は人と分かち合えるもの。結局私たちは人で始まり、人で終わる。その人生の旅路の途中でかげがえのない友人と出会えたら、それはとても素敵なことなのだと思った。ショーンのみならず、ウィルと同じ孤児院で過ごした彼らも、社会的にみて少し逸脱した行為が目立つけど、根は良識のある人たちばかりで親友としての役割をきっちり果たしていた。本当に幸運なことだ。

ショーンが最後のセラピーで”Times up”と口にした時、もう終わりなんだと一瞬切なく感じたが、ウィルが自分の意思で堂々と生きる力が備わった合図でもあり、前向きな気持ちになれた。

“So what do you want to do?”
ショーンからウィルに投げられた質問だが、就活生の身として響く言葉であった。
私も羊飼いになろうかな。