「君は完璧からは程遠い
彼女だって完璧じゃない
だが問題は、君らが互いにとって完璧か
そこが大事なんだ」
非凡な才能を持っているが同時に隠したい過去も持った青年ウィルと、愛する妻を亡くした悲しみから立ち直れずにいる心理学者ショーン。
そんな二人が出会い、互いが新たな一歩を歩み始めるまでの物語。
物凄い知識量で弁は立つが常に自分を守るのに精一杯で、傷つかないように生きるための処世術ばかり上手くなっていたウィルに対してショーンは核心をついた言葉を投げかけ続ける。
時には厳しく、時には優しく。
その言葉たちがまるで生き物かのように激しく心の中に侵略してくる。
そして、次第に心を開く勇気を持ち始めたウィルが最後に選択した未来。
その時の友の表情が、ウィルの言葉が、そしてラストシーンが、とても美しかった。
ショーンの一つ一つの言葉があまりにも直接的に胸に響いてきて、共感できるなんて次元のものではなかった。
それはもう、まるで画面を通り越して目の前で自分に訴えかけているような錯覚に陥るほど。
きっとショーンに諭されたウィルの欠点が、自身の欠点が酷似しているからなんだろう。
ここまで心に響きすぎるといつも気になる撮影技術や音響の事なんて全く気にならず、ただ物語に没頭してしまうことを知った。
そして、決して忘れることのできない人生の教訓のような作品となった。
「君も完璧な自分を壊したくない?
誰とも本気で付き合わずに一生を過ごす?
超すばらしい哲学だな」