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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのkuuのレビュー・感想・評価

4.0
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
原題Good Will Hunting.
製作年1997年。上映時間127分。

天才並みの頭脳を持ちながら、幼児期のトラウマが原因で周囲に心を閉ざし非行に走る青年と、妻に先立たれ人生を見失った精神分析医との心の交流を描いた感動作。

今作品は、マット・デイモンが幼馴染のベン・アフレックと共同で脚本を執筆していることを考えっと、二人とも映画の中で親友を演じているさかい、より自然で現実的、そして刺激的な作品になっていると思います。
実際、脚本家と主演俳優が同じである場合、いつもうまくいくことがあります。
『市民ケーン』、
『偉大なる独裁者』、
『ロッキー』、
あるいはウディ・アレンの映画と枚挙に暇がない。
脚本は個人的なものであり、映画は個人的なものをより広くアピールするための最大のプロジェクトに超越するための言い訳に過ぎない。
物語は、南ボストンで育ったタフな子供、非常に知的なタフな子供の話で、下手な監督や編集者がこの映画を担当していたら、笑ってしまうほど陳腐な子供時代を描いてたんかもしれへん。しかし、彼の過去の暴露があまりにもスムーズに進むため、今作品は善意にもかかわらず、被害者というよりも傲慢な嫌な奴のように見えちまい、これがまた面白い。
彼を被害者として描くことは、彼の才能の価値を大きく変えることになり、彼の問題を解決することになるんやろけど、実際には諸刃の剣のように働く。
今作品は、本当の意味での魅力的なキャラクター・スタディ(その映画の最も重要な要素が主人公そのものである)を提供してくれる。
観客は精神科医の立場に置かれ、ショーンの動機や、ウィルがなぜこのような難解な人物なのかを理解しようとする。
知性についての知的な映画であり知性を尊重してるってスゴく感じる。
そして、それ以上に今作品の知性は、言葉の喜びの瞬間をたくさんもたらしてくれる優れた脚本によって支えられてると思います。
ウィルのスピーチは貴重で、まるで本を丸ごと暗唱しているような、まとまりと、ひらめきがある。
また、我々が考える『知性』てのを今作品は問いかけてくるよう。
ランボーにとっては『卓越』、
マグワイアにとっては『幸福』である。 
また、感動的なメッセージは、ウィルがその両方を調和させることができるということ。
感動的という言葉は、まさに『グッド・ウィル・ハンティング』と韻を踏んでいる言葉と感じます。
また、ミニー・ドライバーは、この映画の心の要素を動かした人物として、特筆に値すると思います。
スカイラー(なぜこのような名前にしたんかよーわからん)は、とても純粋な気持ちを持っていて、彼女のロマンスと別れは、ウィルの多層的な人格に新たな真の次元を生み出したと思いました。
今作品は、人間関係の複雑さを追求した作品です。
自己反省的なアプローチでは、この映画の結末は、数学の問題が最終的に解決されたようなものですが、人間関係は、正確な科学じゃないし、もしかしたら、幸福は優秀さよりも少し重要なのかもしれない。
ルネッサンス期の随想家モンテーニュが述べたとおり『よく詰まった頭ではなく、よくできた頭』を持つ大人になることが求められるんかもしれへん。
ほんと何度見ても面白い映画っすわ。
四方山噺っすが、
本作で脚本家デビューを飾ったマット・デイモンとベン・アフレックが見事にアカデミー脚本賞を獲得したことで話題に。
また、孤独な精神分析医を演じたロビン・ウィリアムズも助演男優賞を獲得している。
監督は鬼才ガス・バン・サント。

ボストンに住む青年ウィルは、幼い頃から天才ゆえに周囲から孤立していた。
だが、彼の才能に気付いた数学教授のランボーは、ウィルに精神分析医のショーンを紹介する。
ウィルはショーンにしだいに心を開いてゆくが、彼の才能に気付いた政府機関や大企業が接近してくる。

マット・デイモンがハーバード大学5年生ん時、劇作の授業を受けてて、その集大成として一人芝居を書くことになったそうです。
彼は、ベン・アフレックの協力を得てこの映画になったそうですが、
当初は、主人公を天才物理学者にしようと考えていて、そのアイデアを、ノーベル物理学賞受賞者(電磁相互作用と弱い相互作用の統一理論への貢献、特に中性カレントの予想)で、当時ハーバード大学教授だったシェルダン・L・グラショーに相談したところ、グラショーは、その前提にピンとこないと云い、代わりに数学の天才を主人公にすることを提案した。
ほんで、グラショー義理の兄ちゃんであるマサチューセッツ工科大学の数学教授、ダニエル・クライトマンにデイモンを紹介し、ストーリーのアドバイスをしてもらったという。
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