人生の教科書。
非凡な才能を持ちながら、素行に大きな問題がある主人公。ある日彼の才能に気づいた教授により、数学のレッスンとセラピーを条件に救われたものの、セラピストは皆手を焼く。最後の頼みの綱として紹介されたのは、教授の古くからの友人で、同じく心に深い傷を負った心理学者だった。
自身が持つ知識は全て本から得たものであり、真の愛や友情を知らない。その生い立ちから、本気で人と関わることを避けて生きてきた彼は、ある女性との出会い、そしてセラピストとの面会を重ねることで、次第に心を開いていく。
天才的な才能を持つ若者の更正・成長の物語にはとどまらず、周囲の皆が変化していく。余計な演出はなく、その過程のほとんどが会話によってなされ、演技に引き込まれていく。
愛とは、友情とは、成功とは、、、。人生におけるあらゆる要素が詰まっているにもかかわらず説教臭くなく、爽快感と共に前向きにさせてくれる点が、支持される所以だと感じた。
印象に残るシーンは多々あるが、個人的にはショーンとランボーが楽しそうに足並みを揃えて階段を登るシーン、そしてそこから畳み掛けるラストには、とても堪えきれなかった。素晴らしい名作。