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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりに再鑑賞。昔すごく好きだった記憶があるのだが、今観返してみるとそうでもなかった。やはり映画には観るべきタイミングというものがあるのだろう。

天才的な才能がありながら街のチンピラとつるみ清掃員のバイトをして暮らすマット・デイモン演じるウィルが、ロビン・ウィリアムズ演じる心理学者ショーンと出会い、自分の道を切り開いていく話。主演二人、特にロビン・ウィリアムズのずるい存在感により、物凄く良質な映画に仕上がっている。正直脚本の出来はまぁまぁ。というか全編を通して会話がゆるいアメリカンジョークで構成されているので、このノリにイラっときてしまったらもうおしまい。この二人が徐々に心を通わせていく、という話なのだが、なんだか唐突に分かりあったようにしか見えなかった。

ラストもウィルは女の元へ、ショーンはインドや中国への旅行へと出発するのだが、どちらも意味不明。ウィルはせっかく自分のやりたいことを見つけて生きていくような達成感があったのに、結局紹介された仕事はブッチして女の元へとドライブしていく。ショーンは何?自分探しの旅?ふと思い立って行く先がインドって、意識高い系の大学生か。

そもそもウィルが好きになる女のことが全然好きになれなかったのも痛い。ただの下品な高学歴ビッチじゃん。下ネタをノリノリで話せる、チンピラともつるめるアタシ。アタシしか知らない天才の彼、彼の心を救ってあげたいの、ってか。ウィルがこの女のどこが良かったのか、この二人がどのようにして仲を深めていったのか、全くわからなかった。

ただベン・アフレック演じる親友がすごく良かったなぁ。いつまでもここで俺と一緒に働いていたらお前を許さない、楽しみにしているのは毎朝迎えに行ったときにお前があの家からいなくなっていること、という台詞はすごくグッときた。自分とは違う天才であるウィルのことを心から認め、本当に幸せになってほしいと願う気持ち。ラストに彼が空っぽのウィルの家を見つけたときの幸福感と言ったら。だからこそ、結局行き先が女のところだというのに心底がっかりした。

昔観たときは純粋に感動した記憶があるので、年をとって自分が捻くれてしまっただけかもしれない。
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