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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのtorakoaのレビュー・感想・評価

4.5
主人公がちょっと嫌な奴であまり好きにはなれないが、そこにもリアリティがある気がした。
人物造形がしっかりしていて、ストーリー展開の都合で動かされてる感ある人物がいない。物語において大事なことだと思う。頭脳明晰であることの表現も、設定だけで実感の伴わないものではなかった。仲間の愚鈍さも。
登場人物全員を生身の人間らしく描けていて、イラッとしたりもするが共感もしやすい。脚本賞も頷ける。

地味にヒロインがいい。パーフェクトだという彼女の内面に強く惹かれていることが感じられるようなエピソードを入れ、主人公見る目あるなと好印象に繋がる、と私は思った。彼女を起用したことが見る目あると思ったし。映像的にはもっと美人のほうがと初見では思ったが、それだと嘘くさくなるんだよなー。よく練られてる。

あと地味にステランの好演あればこそだったりもすると思うんだよなーこれ。一人だけの力で動かせた訳ではないはずで、ひとまず指標になるものを提示したのも二人を引き合わせたのもステランの役で、努力しても掴めない思いを抱えながら生きる人物としてもかなり重要な意味を持たされている。
梃のような役割のロビン・ウィリアムズは確かに大きいが、見つけて動かそうとした人がいてこそという、本当に練られている脚本だなーと思う。

あと「奥さん、自分ので起きたんだ?」ってとこのマット・デイモン、ナチュラルな演技で良かった。
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