真田ピロシキ

ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリーの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

2.5
セールでストリートファイター5を買って格ゲーは昔から下手くそなのにそこそこ楽しんでいます。スタンダードなのでやりやすいのと人が多いのが素晴らしい。それで映画を久しぶりに見ようと思って、本命のヴァンダム版はネトフリにもプライムにもなかったのでこっちを鑑賞。一度見て分かっているので不満はそんなにないです。

この映画は方向性があやふや。ストリートファイターと言えば波動拳と昇竜拳を使う格闘家が悪の組織と殴り合うのが大まかなストーリーだけど、悪の総帥ベガからしておかしい。帝都物語ファッションはしておらずスーツ姿のビジネスマン。サウスタウンのギースさんとお間違えではないでしょうか。ちゃんとサイコクラッシャー使えよ。ラウル・ジュリアを見習うんだ。真面目な犯罪組織のボスやってる割に娘に自分の良心を封じ込めるオカルトに傾倒しててとても裏社会で成り上がれそうには見えない。手下は役者の格でか大物感があるバイソンに比べてバルログが失敗したプレデターコスプレのようなクソ雑魚ですが、ゲームをやってればバルログさんが春麗とキャミィのケツを追っかけてるだけの三下変態なのは明白なので全く問題ない。こんなのを切り札にしてるベガ様(笑)の器も推して知れるもの。余談だがスト5のバイソンは渋みを増して格好良いので是非見て欲しい。脳筋イメージを振り払ってくれる。

主人公である春麗の演出も安定してなくて地に足のついた世界観かと思いきや唐突に出てくる気の力。いや確かに気功拳使えるけどさあ、春麗と言ったら足技でしょう。そういうのやりたかったらリュウでいいやん。そこに目を瞑れば春麗の再現は頑張っていて、サマーソルトに三角飛びと百烈脚を自然に盛り込んできてて、実写でやると一番非現実的に見えそうなスピニングバードキックを上手くこなすサービス精神は本作最大の評価ポイント。春麗はもう少しタフさを感じる人が良いと思うけれど、アジア系の適役を見つけるのは大変だろうからそこは許容範囲です。春麗使いなら楽しめる面も多いのではないでしょうか。娘の目の前で親父にフェイタリティかましといて子供を気遣う正義キャラクターらしからぬ振る舞いにはノーコメント。殺意の気功に目覚めたことにしておこう。

残念なことに私には春麗は難しくて使えない。一撃と差し合いで戦えるザンギエフ様こそ最強ッス。コンボなど知らぬ。波動拳ももはや怖くない。次のストリートファイター映画はザンギエフで宜しく!ヴァンダム版では見た目は良いけどバカすぎて、シュガーラッシュは何故か悪役カテゴリだったザンギエフに春を。今ならミカをバディにして華を持たせたりも出来るのでオススメッス。