松原慶太

ガリバー旅行記の松原慶太のレビュー・感想・評価

ガリバー旅行記(2010年製作の映画)
2.6
原作をむかし読んだことがありますが、子ども向けの童話というよりは、風刺色のつよい寓話で、世紀の奇書とよばれるにふさわしい変わった物語でした。

序盤のリリパット国(小人の国)は有名ですが、終盤のフウイヌム国(馬の姿をした生き物)あたりになると強烈。アルコール中毒で、糞尿を食べ、つねに仲間同士で争いをしているヤフーと呼ばれる醜悪な家畜が出てきますが、これは「人間」の比喩だといわれています。スイフトの強い厭世観が伺えます。ちなみにインターネットの「Yahoo!」はこのヤフーから名付けられたとか。

ただ映画版のほうは、ディズニーの昔から、そうした風刺色はオミットし、ガリバーの冒険譚をたのしく描くことが通例となっています。本作も、ジャック・ブラックを主役に据えたとはいえ、ストーリーは意外なほどオーソドックスです。

出版社で郵便物の集配係をしている主人公がジャック・ブラック。仕事もできず、女の子をデートに誘うことも出来ないさえない男です。その彼がバミューダ海域を取材することになり、リリパット国に迷い込んでしまう、という物語。

ジャック・ブラックは、ジョン・ベルーシのながれをくむ、才能のある俳優だと思うので、今後に期待したいところです。