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向う見ずの男のcatmanのレビュー・感想・評価

向う見ずの男(1958年製作の映画)
5.0
1958年公開。いやちょっと待って何ですかコレめちゃめちゃ良い!往年のハリウッド製西部劇って、私は多くを語れるほど数を観てないのですが、これは大好きです。画が綺麗、音がいい、キャラ立ちがいい、馬が甲斐甲斐しい、とにかく細部に至るまで映画的センスがイケていて感心しまくり。一切の説明がないまま、しかし何が起こっているのかちゃんと理解出来る秀逸なオープニングから直ぐに引き込まれてあっちゅーまの100分間です。まさに発掘良品、TSUTAYAさんありがとう!

以下はメモ。蛇足です。
ネタバレあります

•あまりにも雑過ぎて笑ってしまう邦題はさておき、原題はMan HuntではなくFrom Hell to Texasではないのか?どうなってんの?
•主人公トッドがここぞと言う時にだけ見せるウィンチェスターの銃捌きがクール。最初のデニスホッパーはとの対決シーンでほんの一瞬だけスローモーションを挿入するモダンなセンスがヤバ過ぎる
•カモーディとの対決シーン、岩石落としのアイディアとリアルな撮影がヤバイ。どうやって撮ったんだろう。マジでリアルにガチで岩石落としたの?思わず『ぁああぶなああい!』と声に出して叫んでしまった。そしてこれをロングで捉えるセンス…ヤバイ
•コマンチ族が馬車を襲撃するシーンの映像迫力半端無い。ロクな特撮技術も無いこの時代に。撮影と編集のセンスとやっぱりガチのスタントがヤバイ
•全般的に美しい自然の光景を捉えるショットが非常にリッチで贅沢感があって凄くイイ
•主人公の繊細で誠実な人柄も良いけど、それを追い詰める敵役ボイドのおっちゃんのキャラ造形が深くて良い。周囲を敵に回しながらも、なりふり構わず働き貧困を脱し成功を掴んだのに、将来を託すはずだった二人の息子を奪われてしまった恨み、と言う悪役にも彼なりの正義がある事を感じさせる。これ大事
•ヒロインのツンデレ感がほど良く、センチメンタルに偏らないのでロマンス要素も邪魔にならない。これ重要
•西部劇と時代劇を観るたびに思うけど、馬がけなげ。馬に感謝。特に本作はそれを感じさせてくれるシーンが多くて凄くイイ
•決着を付ける最後の戦いに炎をぶわぁっと使って緊張感をぐっと高めて、しかし誰も死なずに終わらせるセンスが凄い
•rollin棒のセンス半端無い
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