イチロヲ

アクエリアスのイチロヲのレビュー・感想・評価

アクエリアス(1986年製作の映画)
3.8
ミュージカル劇の稽古場に本物の殺人鬼が紛れ込んだことにより、舞台関係者たちが戦々恐々とした事態に陥ってしまう。ダリオ・アルジェントにウェス・クレイヴンの成分を注入したかのようなスラッシャー映画。

殺人鬼を元舞台俳優という設定にしているのが面白い。舞台装置の使い方を熟知しているため、それらを巧みに利用しながらターゲットを恐怖に陥れていく。殺害の手口も決して一辺倒ではなく、いろんなパターンが用意されていて楽しい。

今まさに殺害されている仲間とカーテン越しに視線が合うシーン、殺人鬼が死体をオブジェのように配置して舞台を設営するシーンがお気に入り。

舞台役者たちが仕事場で公私混同しすぎだったり、殺人を犯した精神病患者が病室にいることを医者自らが安々と漏らしたり、殺人鬼への先制攻撃(視野の外からの攻撃)ができるときに限ってやらなかったり、随所にツッコミどころは見受けられるが、この手のスラッシャー映画はツッコミどころも含めての娯楽なので、総合的には満足。

ただ、今の感性で観ると、全編に流れる80年代バンド音楽が緊張感を削いでいる感が否めない。