Melko

シェルブールの雨傘のMelkoのネタバレレビュー・内容・結末

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

「Toi, tu vas bien ?
— あなた、いま幸せ?」

見た直後の感想
「待ってるって、言ったじゃん!!」

昨日重たい映画見たから、今日はポップで軽いモノを見ようと思ったら…とんでもなくヘヴィな映画だった。。セリフがポップ調なだけで…
往年の名作 紛れもない悲恋

とにかくずっっっと歌ってる
これぞミュージカル映画というような
合間に普通に喋ったりするのではなく、細かな相槌も含めて全部メロディに乗せて歌い上げる
この演出方法、見てて気が散るかと思いきや、曲としてちゃんと緩急ついてるので、ストーリーはちゃんと追えた

それに、場面が一つ一つめっちゃ画になってて、どこを撮っても絵はがきになりそうなポップな美しさ
カラフルポップな色彩溢れる衣装とセットが大きな要素としてこの作品の画づくりに多大に貢献している
ジュヌヴィエーヴの髪型と衣装がイチイチかわいいし、傘屋の内装や自室の壁紙とか全部おしゃれかわいい

ただねえ〜〜〜
出てくる人間を誰1人として内面的に好きになれなかったのが致命的
自分の力で人生を切り開くキャラが好きな私には、男も女も互いに依存しまくってていけすかない
お金が必要、わかる
戦争が運命を狂わせた、それもわかる
2年は確かに長い、でも少なくともあなたは1人ではなかったはず。大好きな人との子ども、育てながら待てなかったかい??ホントに??
そんなヒロイン ジュヌヴィエーヴ、自分の幸せと彼氏の帰りを信じる気持ち、膨らむお腹に未来への不安、自分を受け入れ愛してくれる人への依存
私はそこに愛はないと思う
安心して暮らしていくための同居人を見つけたにすぎない
現実はそんなに甘くないと言われようとも、お腹の子どもの父親の帰還/戦死の連絡がくるまで待てなかったのは理解に苦しむ
恋には勢いも大切 ジュヌヴィエーヴに結婚を急かされた時に「僕らには時間があるから」と言ったギイ
時間はありそうで、ないもの
人の心はうつろいゆくもの
ショッキングな裏切りは可哀想だけど、1人が耐えられない彼は甘ちゃん
マドレーヌが不安に思うのもわかる
邪険にされても、傘屋に挨拶に行かなかったあんたも悪い

そして一番気に入らないのが、ジュヌヴィエーヴのママ。私、ママはローランに恋してて、自分がプロポーズされるのではと思ってた気がする。だから「娘さんをください」に驚いてた
娘と離れたことがない、娘の幸せを本当に願ってる?甚だ疑問な毒親
否定してばかりの母親 こんな風にはなりたくない

年月経て、ジュヌヴィエーヴとギイのラスト切なすぎる再会
悲しそうに去っていくジュヌヴィエーヴ
彼女を見送らないギイ
愛を持って家庭を築いたか?打算か?
その違いが決定的に現れた最後だったように思う
悲しいお話
Melko

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