「台詞が全部、歌」にすぐ馴染んで、序盤から陶酔スイッチ入った私は涙が溢れて溢れて「ずっと終わらない映画であってほしい……」なんて早々願った。
そのあと主題歌が出てくるたびに、普通に泣いた。泣かずにいられなかった。
最後、妻と息子が交通事故で死んで夫へのXマスプレゼントの傘が一本残る、という結末を覚悟したりもした(けど、全然違った)。
「映画とは何か」「ミュージカルとは何か」「恋とは何か」「『人が生きる』とは何か」が、この映画においては完全に同じ問いだった。
この映画は「祈り」だった。
情緒ばかりか魂を震わされた私は、人間をもう一度好きになれそう。生きることももっと好きになれそう。