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シェルブールの雨傘のmidukiのネタバレレビュー・内容・結末

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

BSシネマで。
ララランドに大きな影響を与えたという本作…これがネタバレになるなんて思わなかった…

恋は甘美なものだけど、私がジュヌヴィエーヴの立場だったらギイのことを好きにはならなかったと思うのであまり共感できず…。

あんなに美しく若い(17歳?!)彼女に、結婚を考えるには2年もの長期間待つことを強要するのに、収入もあまり期待できない相手で、出征するにあたって病気の叔母の世話を、結婚を考えてる相手であるジュヌヴィエーヴではなく、幼馴染のマドレーヌに頼む神経もよくわからない…なんで惚れたんだ?と疑問。

しかも、寂しさにかまけて彼女との間に子供ができてるとかドン引き…。理性や責任感はないのか…?
損得ではかりたくはないけれど、あまりにジュヌヴィエーヴへのリターンが少なく感じられたのでめちゃモヤモヤ。

共感はできないのだけど、結ばれたいと願っていた人との結婚を諦めて手近な人と結婚する気持ちがどれだけ辛いかはすごく良く伝わってきた…。
優しく経済力があり愛を向けてくれる素敵な人だけど、ジュヌヴィエーヴがときめいてないので沈んだ表情は見ていて本当に辛い。

そしてギイはギイでマドレーヌと結婚して夢だったガソリンスタンドを経営してるの…。本当に…なんていうか、マドレーヌ、都合良すぎるのでは…。キレてもいいんだぞ?!と私が代わりにブチギレる始末…。

とにかくギイがいい男だったなら、別々の道を選んだ2人に想いを馳せることができるのに…と残念な気持ち…。

ちなみに、ララランドよりも論理的にどうしてヒロインは彼と結婚しなかったのか、をじっくり説明していてより納得できました。ララランドはラストでいきなり出てくるから「あんた誰?!」という気持ち悪さがあるのだけど、そういうのは本作ではなかったですね。

しかしながらセブとギイでは雲泥の差があるんだよな…。セブはミアとの未来に責任を持って、収入を増やそうと頑張ったもん…。(それが原因ですれ違うのは皮肉だけど…)セブがいい男すぎて、よりララランドの方が切なく感じる…。

壁紙や調度品やファッションがとてもお洒落なのに、ジュヌヴィエーヴの表情はずっと沈んでる、そんなアンニュイな映画でした…。教養のために一度は見ておきたかった作品なので見られて良かったです。
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