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シェルブールの雨傘のScreen7のレビュー・感想・評価

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)
3.5
"恋で死ぬのは 映画の中だけよ"
これだけ有名な映画なので、悲恋のストーリーというのを分かった上で観るのが辛かったです。「今は幸せそうだけど…」と心が落ち着かない感覚。でも思い浮かべていた展開とは違いました。ララランドじゃん!

絶賛派と無理派がすごい分かれている今作。台詞全部が歌って言うのも一要因かな?
ミュージカル好きと言いながらも、全編ミュージカルの映画は観たことなかったので新鮮でした。(死期が近い叔母さんも歌うんだからね…)
だから「このシーンのこの歌が…」とか指定することも特にない感じ。

ジャック・ドゥミ監督×カトリーヌ・ドヌーヴ主演ということでなにかと『ロシュフォールの恋人たち』と比較されることが多い今作。
今作もお洒落で可愛い世界観でした〜!
カトリーヌが着るガーリーな衣装やちょこんと頭に乗せたリボンが可愛らしいし、傘屋(ジュヌビエーブの家)のピンク、ストライプ、花柄…と沢山の色や柄の壁紙がお洒落。

愛を知らないでしょ?と言われてしまう17歳の女の子ですが、若いというだけで許してもらえない結婚や戦時中という時代背景もあり、現代より自由に結婚できない感じがしました。
ジュヌビエーブは、"まるで雨傘の品定めみたい"にカサールとの結婚を"雨から守りたい"母から勧められます。
17歳にとっての2年ってまあまあ長いよね…
季節が巡り、時の流れが心を癒してくれると信じて決断したジュヌビエーブですが、そう簡単には忘れられないのです。うう切ない。

「あなた幸せ?」と問うジュヌビエーブの心情。それに対して「 とても幸せだ」と答えるギイの表情。あまりにも切ないです…
切ない結末を迎えてしまった2人ですが、
女の子の名前はフランソワーズ
男の子の名前はフランソワ。
と、時が経っても子供の名前に一生2人の恋の痕跡が残されているんだなと思いました。
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