むぶどん

シェルブールの雨傘のむぶどんのネタバレレビュー・内容・結末

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

フランス・シェルブールに住む2人の男女の恋と別れの7年を描いたミュージカル。服や家の内装が美しく歌も綺麗だし、挨拶やらちょっとした台詞まで歌うのは硬派ミュージカルのようで面白いんだけれど、歌だけでなく曲も途切れることなく続くので、途中から食傷気味になってしまった感じは否めない。それと、長々と恋に悩み苦しんだと思ったら金持ちにくらんで割とあっさり恋路を断っちゃうのが現実見せられてる感じでむずむずした。その事自体は別にそれほど気にならないし、ラストは本当に虚しさ満点で良かったんだけど、90分と時間をかけて描いたのがこれか、っていう不満もある。ミュージカルにこんな事を言ってしまうのは野暮かもしれないけど、それにしても長かったと思う。
戦犯というか、ジュヌヴィエーヴとギイの仲を裂いたのは間違いなく彼女の母。経験を盾に2人の結婚を全力で阻止しにかかっていたけど、肝心の経験についてはぐらかしちゃあなんともね……それでも結果的にああなってしまった以上、2人の恋はやっぱり勢いだけのものだったのだろうか……はかないなあ。しかしあの映画も展開は似ているのに、この受け取り具合の違いは何だろう……。