Kamiyo

シェルブールの雨傘のKamiyoのレビュー・感想・評価

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)
4.0
1964年”シェルブールの雨傘” 監督ジャック・ドゥミー

お洒落で美しい音楽と映像が悲恋の物語でカンヌ映画祭グランプリの名作、この洋菓子のように甘いストーリー。
台詞がすべて歌になっているので最初は違和感を覚えるが、次第に映画の中に引き込まれる。面喰いましたけど、最近いくらかミュージカルに免疫が出来て来たせいか、最後は気に成らなく成ってました。

シェルブールで母の営む雨傘店を手伝うジェヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は自動車修理工場で働くギー(ニーノ・カステルヌオーボ)と恋に落ち、やがて妊娠しますが、母には結婚を反対され、ギーはアルジェリア戦に出征したまま音信不通になってしまいます。
金持ちの宝石商ロランに求婚されたジュヌヴィエーヴは、子供と共の結婚を受け入れシェルブールを去ります。
その後ギーは負傷して帰国し、シェルブールを訪れるが、傘屋は既に無く、自堕落な日を送るギーだったが、幼なじみのマドレーヌ(エレン・ファルナー )と結婚し、態度を改め小さいながらも自分のガソリンスタンドを持つまでになります。

ラストで、ジュヌビエーブとギイが再会するが、この場面の為にこの映画があったと思える程だ。しかも、ほとんど言葉を交わさずに別れていくのがかえって印象に残る。

ガソリンスタンド、別れ際にジュヌヴィエーヴが「あなた幸せ?」って訊いて、ギィは目を見て「幸せだ」。
ジュヌヴィエーヴが去って行くと、ギィの奥さんと息子さんが帰ってきてさ、幸せそうに抱き合ったりするんだよ。そこでカメラが引いて、メインテーマの音量が上がって、fin。
なぜか涙が流れてきました。

「本当に愛する人と結婚しないと、みんな幸せになれない」って言ってる気もするし。
「愛する人と結婚できなくても、みんな、それなりに幸せになるよね」って言ってる気もする。

流れるような音楽と色彩を含めたこの時間の流れは、ジャック・ドゥミとミッシェル・ルグランが作り上げた傑作であると思う。

ヒロインのカトリーヌ・ドヌーヴの美貌が画面を圧倒する。ファッションや髪型を時の經過とともに変化させ、様々なドヌーヴを見ることができる。それだけでも見る価値がある。
カトリーヌ・ドヌーヴが本当に美しい。この時20歳である。
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