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ノルウェイの森のーのネタバレレビュー・内容・結末

ノルウェイの森(2010年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

酷評されている映画のようですが、わたしは結構好きだな、という映画でした。

まずインサートがめちゃくちゃ好きだった。映画の中で一年の四季をこんなにも丁寧にかつ美しくわかりやすく感じれたのは初めてってぐらいにその季節の空気感を感じた。インサートのみならず、人の肌の美しさで…夏の湿った空気での肌感や冬の乾いた空気での肌感、とても生々しくて美しかった。ワタナベのバイト先のレコード屋の埃を感じる空気感も男子寮のちょっと人間の臭い匂いを感じる空気感も、森の自然の美しく澄んだ空気感も、食堂のいろんな食べ物の匂いが混じった空気感も…美しい画から全て感じれた気がした。

間が独特だけど、心地よいと思ったのだけど、これは監督がフランス育ちで私がフランス映画が好きっていうのがあるのかな…
セリフというよりも間の中で登場人物の心情を感じることが多かったし、多分原作通りに(わたしは原作を読み切れていないけれど)セリフを入れたり、小説の心情描写をセリフを付け加えてセリフに頼っていたら私はつまらなく感じていたと思う。だから実写映画として良い間の表現をしていたのではないかなと思う(原作読み切れてないからわからんけど!!!!)

この映画は愛についてが作品のテーマだと私は思ったのだけれど…そういったインサートや会話の間であったり…っていうのがセリフの臭さを抑えてくれていたと思うし、正直それでも臭さはあるけど、愛を映画で語ろうとしたらその臭さってのは必要なものなのだろうと思う…

あと寝る(セックス)というのが作品の中で愛につながるムーブだったように思うのだけれど、ナオコの療養所にいた女性とワタナベが寝る描写だけが、わたしにはよくわかんなかった、彼女がワタナベと寝ることでどういった愛を(7年前のこととは?)解消したのか…こりは小説をちゃんと最後まで読めばわかるんでつかね…;;;;;;
あと冒頭にあったギリシャ神話の講義のシーンでちらっと教授が話していた”愛するものに愛されないという一方通行の愛の連鎖とそれが生み出す悲劇…”
これって、登場人物のさまざまな愛の一方通行に引っかかってるなあ、、と思った。
亡くなったキズキを未だにひきづってるナオコとナオコのことを愛しているワタナベ(寝てる)
永沢のことが好きなハツミと結婚する気もないし色んな女と寝る永沢(寝てる)
めいっぱいに愛されたいと願うミドリとナオコを愛しているワタナベ…(私はミドリの愛についての考え方とか諸々で1番好き…)(寝てない)
お互い愛し合っていたけれどナオコが濡れなかったから寝ることができなかったナオコとキズキ(キズキが亡くなったのでナオコの愛は一方通行…せつねー…)(寝てない)

ワタナベ、めっちゃヤリチンやん…って感じもするけど、映画の空気感からそういう感じしないし、松山ケンイチのあの誠実そうな人間の雰囲気からヤリチンは感じられなかった…

寝ることが相互の愛ではないけれど、ナオコのなかで愛していたのに愛されていたのに寝れないってい、そういう寝ること(愛)の重さも感じるのに永沢のような真のヤリチンの寝ること(≠愛)や、キズキを引きずっているのにワタナベと寝たナオコの描写も出てくるから、愛やセックスは=で繋がらないという価値観…うぅ…となりまちた…
といいつつ…私も好きじゃない人とセックスできちゃうしすることもあったし、かといって好きなのに上手くいかないことも沢山あったので、胸が痛かったです…

愛するものに愛されないという一方通行の愛の連鎖とそれが生み出す悲劇…ってことですね(???????)

とにかく画は綺麗だし、役者さんもみんな素敵でした。
原作ちゃんと読めばもっと話の理解が深まるのかな、、と思います

(愛についてのことは、やっぱりうまく文章にできないけど、結構くらいました。)
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