カルダモン

追跡のカルダモンのレビュー・感想・評価

追跡(1962年製作の映画)
3.5
冒頭、犯人に羽交い締めされるシーンの美しさと怖さ。犯人の顔が見えそうで見えない、絶妙な光りと影の演出が特に魅力的。
マネキンだらけの部屋の中に光る眼が浮かんだり、乱歩的要素も奇妙で惹かれる。
子供の頃に読んだ推理小説を彷彿とさせるような、ある種のトラウマ的感覚を呼び起こし、不安になる。

犯人の顔バレが早すぎると感じたので、もっと焦らして欲しかった、というのが正直なところ。
最後の最後までわけのわからない恐怖に怯えたい。
クライマックスの野球場では、試合のカットと追跡のカットが交互に展開するため、リアルタイム感のスリルが味わえる。