1962年。ブレイク・エドワーズ監督作。
原題は"Experiment in Terror"(恐怖の実験)
前年の『ティファニーで朝食を』、後年の『ピンク・パンサー』シリーズと、作風がかなり変わった監督作。
マイナー作品でビジュアルが空白なのでこちらとか→ https://www.imdb.com/title/tt0055972/
スタイリッシュなモノクロ映像の犯罪サスペンススリラー。
サンフランシスコのツインピークスに妹と二人で暮らす女性銀行員ケリー(リー・レミック)。
ある夜、車で自宅に戻るとガレージの暗がりに待ち伏せしていた男に羽交い締めされ、銀行から10万ドル盗み出さないと妹の命はないと脅され、男は消える。
すぐにFBIへ電話をかけるケリーだが、まだ近くに潜んでいた男に電話を切られてしまう。
FBIのベテラン捜査官リプリー(グレン・フォード)は危険を察知し、ケリーの居場所を突き止める。
この導入部の、犯人の姿と喘息持ちの声だけで顔は見えないという"影"を活かした恐怖演出が秀逸。
後半は姉妹を24時間体制で警護するFBIチームの犯人探しの攻防にゾワゾワ。
〈参考〉ザ・シネマ/町山智浩のVIDEO SHOP UFO『追跡』前解説
https://youtu.be/Q7d4Ihbw0SI
黒澤明監督の『天国と地獄(1963)』が、前半が会話中心の室内劇、後半はロケーションを活かした犯人追跡と、はっきりした二部構成となっている点で、この映画をヒントにしたのは間違いないだろうと町山さんは推測してます。