シネフィルmonk

追跡のシネフィルmonkのレビュー・感想・評価

追跡(1962年製作の映画)
3.8
サンフランシスコの閑静な住宅街。女性銀行員のシャーウッドは暗闇の車庫の中で何者かに背後から羽交い締めにされ、銀行から10万ドルの横領を指示され、要求通りしないと自分や妹を殺害すると脅迫を受ける。傍聴したFBIが護衛しながら捜査を進めるが、犯人探しは後手に回り、その過程で次の殺人事件が起こる…。

最初七分間の車庫での長回しや脅迫電話などで何度も犯人の姿は画面に登場するのだが、影や口元だけで顔が見えない。前半は静かな密室の恐怖、後半は外に出てのダイナミックな犯人探しと追走劇。舞台となるツイン・ピークスの映画や黒澤明の『天国と地獄』、クリント・イーストウッド主演の『ダーティ・ハリー』、ピーター・ボグダノヴィッチの『殺人者はライフルを持っている』ら、のちのサスペンスにも大きな影響を与えた作品だそうです。撮影はオーソン・ウェルズの『黒い罠』の冒頭長回しの撮影技術で名高いフィリップ・H・ラスロップ、音楽はヘンリー・マンシーニ。
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