ageless505

おっぱいとお月さまのageless505のレビュー・感想・評価

おっぱいとお月さま(1994年製作の映画)
3.8
おっぱいが好きです。それが何か?
ヒッチコックのブロンドヘアー嗜好、トリュフォーの脚フェチのように、監督ビガス・ルーナのおっぱい偏愛が潔くにじみ出た不思議なコメディ。

弟が産まれママのおっぱいを奪われた少年テテ、お月さまに”自分だけのおっぱいが欲しい”と祈る。
そこから始まる少年目線の冒険成長譚。
ほどなくテテの前にママより素敵なおっぱいの持ち主が現れる。フランスからやってきた旅芸人の<踊り子>エストレリータ。
彼女には夫である<おなら芸人>モーリスがいる。
青年ミゲルもエストレリータにぞっこんで、彼女を振り向かせようとひたすら<歌う>。

果たしてテテはおっぱいを手に入れることができるのか?

表面的には<バカげた話>だと思う。
ただおっぱい中心の話の流れに、<愛のあり方>をも輻輳したテーマとして活写される。テテが求める母性愛、ミゲルの一途な愛、モーリスの倒錯した愛。
ビガス・ルーナの人間観察眼が鋭いゆえ、生々しいバカさ加減が際立つのかも。
おっぱいをめぐり、少年/青年/中年 三世代の<愛のあり方>がバカバカしくも素敵に描かれる快作。