ジュールス・ダッシン監督、リチャード・ブルックス(『熱いトタン屋根の猫』『冷血』等の監督)脚本、バート・ランカスター主演の脱獄サスペンス。
"Those gates only open three times. When you come in, when you've served your time, or when you're dead!"
なぜ囚人は脱獄したがるのか。濃密な監獄ドラマと大迫力の脱獄アクションを兼ね備えた秀作。
脱獄を図る囚人側のドラマと同じくらい、野心的で冷酷非道な看守、気弱な監獄長、賢い老医者がおりなす権力側のドラマにも比重が置かれていた印象。主要キャラクターがしっかりキャラ立ちしているので、見飽きなかった。
"Yeah Yeah"の大合唱から始まるクライマックス、"真昼の暴動"シークエンスが凄まじい。群衆のダイナミックさとパワフルさ、強烈なヴァイオレンス描写に圧倒された。反骨のバート・ランカスターが、暴力看守を見張り塔から投げ落とすシーンには溜飲が下がる。
この結末は、ヘイズ・コードと折り合いをつけた結果なのだろうか。
"That's it. Munsey. That's it. Not cleverness. Not imagination. Just force. Brute force. Congratulations! Force does make leaders. But you forget one thing: it also destroys them."
"Nobody escapes. Nobody ever really escapes."
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