別々に自殺を図った見知らぬ男女。勿論死ねず、病院で出会うや否や「私と結婚して」と言われ、理由なく承諾した愛のない訳ありな結婚。エキゾチックなトルコ音楽に乗せて展開していく不思議な愛の話。
前に観た「太陽に恋して」が良かったから同監督作を攻めてみたんだけど今作は自由な恋愛が厳しめなトルコが舞台。
冒頭で『君が世界を変えられないなら、君の世界を変えればいい』…とThe Theというバンドの歌詞を医者が引用する。ズバリそれがテーマである。“自分探し”をする2人がたどり着く先が果たして正解なのか。本当はあのまま死んでいた方が良かったのかもしれない。
先程の歌詞には『そして 自分自身を変えられないなら、世界を変えればいい』と続く。曲名は
「lonely planet(孤独な惑星)」
主人公はバッファロー66のギャロみたいに犯罪染みた不器用なキャラでそこそこイラついたけど！いろいろ破壊しすぎだけど！けど不器用なりに惹かれてゆくヒゲ面ロン毛の小汚いおっさんが徐々に愛らしく思えてくる。きっと愛し方も忘れ方もわからないんだろうなぁ。
相手の女の人は可愛くはないが異国な雰囲気を漂わせていて情熱的。後半の堕ちまくってボロボロになった様は痛々しくて見てられない…。
切ないというよりは現実的で虚しい気分になる。
