ジャ・ジャンクーによるこれは、ドキュメンタリーか、フィクションか。
「ポルトガル、ここに誕生す」にあったビクトル・エリセの短編は、本作の影響下にあるのかもしれない。
ユー・リクウァイはデジタルの使い方が巧い。たいていの映画は、フィルムありき(あるいは、フィルムが理想)だが、この映画を観ていると、間違いなく、デジタルありきだ。
失われてゆく国営工場の姿は間違いなく現実のものだが、人々のインタビューは、ジョアン・チェンやリュウ・リーピン、果てには自分の奥さんら俳優が演じている。故に、ドラマチカルな効果が出て、それがあざとくもあるのだが、画面から目を離させないことに成功しているのは間違いない。