べるーし

ランボー 最後の戦場のべるーしのレビュー・感想・評価

ランボー 最後の戦場(2008年製作の映画)
4.5
ムダに生きるか
何かの為に死ぬか
お前が決めろ。

ランボー四作目にして最大最凶の戦い。
2020年現在も軍部による圧政が続くミャンマーを舞台とし、旧作が霞む程により強烈な社会風刺やメッセージ性がふんだんに盛り込まれているのが特徴。

ミャンマー軍事政権がカレン族への弾圧を強める中、国境付近にて国連関係者が拉致される事件が発生しランボーは助けに向かうという、今までと似ている様でまた違うストーリー。妙にリアルなのが上手いなスタローン。


これが二回目の視聴。ランボーシリーズも失速...なんて流れを完全に断ち切ってくれました。よりバイオレンスでパワフルになったのも、弾圧と虐殺が続いているとは世間にあまり知られていないミャンマーの”現実”を描いたところから。その為前作まであったランボーのヒーロー性が排除され、より残忍な殺戮マシーンとしての側面が強調された。

これは完全に前二作の全否定みたいなストーリーですが、ある意味一作目に立ち帰ったものなんで高く評価出来ます。

序盤からミャンマーでの惨状の資料映像を使うなり、中盤でのミャンマー兵による虐殺やら、もう軍事政権の現実をここまでか!という程恐ろしくストレートに描いたのが良かったです。ミャンマーでの惨劇を知るには持って来いの映画でもある。

更に恐ろしいのが上述の通りヒーロー性を排したランボーの暴れぶり。最強の戦士に違いはないがここまで残忍な戦法で戦うとは流石である。ベトナム戦争時もこれくらい暴れていたのだろうか。

自分の生まれ故郷と向き合う事を決意するランボー。こうして彼が報われるまでの”長い道のり”に終止符が打たれる結末で本当に前三作あっての今作なんだな、と実感させられます。

「最後の戦場」という邦題も付けられ、ランボーシリーズも今作で終わりかと思いきや...まさかの5が今年日本で遂に公開という、想定外の事態がw 必ず劇場で観ます。
べるーし

べるーし