いしはらしんすけ

ランボー 最後の戦場のいしはらしんすけのレビュー・感想・評価

ランボー 最後の戦場(2008年製作の映画)
4.8
この間の午後ロー枠OAは見逃したのだけれど、そもそもこのリアルにしてエグさ満点のスプラッター描写は、地上波対応できていたのか?尺、90分ぐらいしかないからそんなにカットできんだろうし。

そんな余計な心配をしてしまうほどに、今見ても十二分にフレッシュ&ブラッディな残虐殺戮シーンで全世界を震撼させた、20年ぶりの帰還作。

シリーズ一気見して思ったけど、これの出来がズバ抜けてるでしょ、どう考えても!

基本は1作目のハードボイルドな路線に軸を置きつつ、「2」のロマンス要素や派手派手しいケレン、「3」のサブキャラとの胸熱展開なども抜かりなく配備。

つーか「アジアで世捨て人生活」「乗り気じゃないのに戦うはめに」「最初なんかやたら舐めてくる奴がいる」「多勢に無勢状態で人質救出」「爆破はじめ炎多め」「ナイフと弓矢はとりあえずマスト」「記念に物くれるヒロインとは結ばれない」などなど、「ランボーあるある」を完全網羅ですもの。

そういった過去シリーズのいいとこ取りを過不足なく、しかも短尺で実現する一方で、先述の鮮烈さすら感じせる戦闘シークエンスは、革命的なまでのインパクトを厳然と放っている。

そしてなんと言っても、ランボーが終始めちゃめちゃカッコいい!これ、過去3作ではそれぞれ理由は違えど、ランボー、全面的に乗れるほどカッコよくはないんですよねー、実は。

その一点だけでもカタルシス機能は抜群だし、各シーンのロジックがいちいち完璧だし、さらに言えばこれもランボーシリーズの特徴である「敵の無個性性」まで、作品の官能度アップに奉仕してるという。

味方側の人道主義のクリスチャン医師やマッチョな傭兵隊長はじめ、サブキャラの造型や言動も、総局面でドラマとして大正解!

スタローン自身の監督、脚本がベスト采配と決定付けるに充分な、2000年代を代表する歴史的名作ですな。