全編スペインロケによる大作というプレッシャーにも負けず、工夫を凝らした体当たりアクションとギャグに挑むジャッキー、ユン・ピョウ、サモ・ハンの役者根性をひたすら楽しむ傑作。物語なんてあってないようなもので、あくまでアクションを引き立てるためのサポート役にすぎない(香港の娯楽映画は大体そうだけど)。そんな三人の姿からは、かつてのバスター・キートンやチャップリンのような「アクションとギャグは紙一重」という喜劇映画の原点を垣間見る。ユン・ピョウの父親が精神病院に入院している設定なので、個性的な患者によって繰り広げられるギャグもアナーキーで楽しい。
後半のジャッキー・チェンVSベニー・ユキーデの壮絶な格闘シーンの素晴らしさ、二人ともガチで戦っているような熱気に満ちているから見ているこちらもどんどん興奮してくる。
ある年代以降ならばスポーツなどで聞き覚えのあるメインテーマも気分を上昇させてくれる。