岩下志麻に比べると十朱幸代は圧倒的に迫力不足。「やっぱり極妻は岩下志麻じゃないと」と思いがちですが、でも十朱幸代も案外悪くないのです。金策に奔走したり、若い男にフラフラしたりと、なんとなく頼りなさげなのですが、それだけにラストで敵組織のボスを相手に啖呵を切るシーンで溜飲を下げるのです。
賭博で金策してばかりで暴力団の抗争が今ひとつ盛り上がらないし、精悍で文句なしでカッコいい村上弘明や、衝撃的(?)な死に方をするかたせ梨乃は見所を増やしてくれてはいますが、立ち位置がよくわからない。いろいろ煮え切らないところが多いのですが、その全てがラストの十朱幸代の啖呵に奉仕していると考えれば、納得できるところがあります。
「虫けらや思うて舐めてたら、その首飛ぶかも知れまへんで」
BS -TBSにて。