のんchan

闇の列車、光の旅ののんchanのレビュー・感想・評価

闇の列車、光の旅(2009年製作の映画)
3.8
キャリー・ジョージ・フクナガ監督鑑賞3本目❗️
フクナガ監督の長編デビュー作💫

私にしては嬉しいスペイン語の映画なのだが、ん〜これはキツイ、観るに耐えない程の画があるが...
監督は中南米の厳しい現実を描く為、実際にギャングや不法移民に会って取材したという。
話題の《新作007》を湧かせているだけある才能をビシビシ感じられた。

原題『Sin nombre』はスペイン語で(名前無し)
ジャケと邦題で中南米の人々が北米への不法入国を目指す様が現れているが、ホンジュラスからグアテマラ、メキシコを抜けて、アメリカに向かう不法移民の少女と、メキシコの若いギャングとの出会いを軸にしているドラマ。

キャスティングに1年掛けたというだけあり、ドキュメンタリーかと思わせるような自然な演技。ギャンググループ(10歳位の子供〜20代)がリアル。顔全面にtattooを入れているリーダー。そしてまだ10歳にも満たないような子供が暴行されて、それでも生きていく為に自らピストルを放つ...
ラストにかろうじて光は差すかのよう...


監督インタビューによれば「ホンジュラスでは牛乳が15リンピラするのに対し、一日の稼ぎはたったの45リンピラ。経済が崩壊し、多くの人が家族をまともに食べさせることもできずにいます」とのこと。この貧困から抜け出すために列車の屋根に乗って国境を越えていくのだが、途中のメキシコも同じことが言える。

『シティ・オブ・ゴッド』を観た時と同じやるせ無さを感じたが、未だに過酷な治安ワースト2位のホンジュラス🇭🇳

私たち日本人はこれを観て何かを感じ取るべきだ‼️



※鑑賞後に調べた追記
ちなみにホンジュラスは世界で最も殺人発生率が高い国の1つだそうで、この作品の中に出ているマラ・サルバトルチャマラ(MS-13)というギャンググループ(全身tattooだらけ)による暴力、脅し、強制によって、20万人近くが住む場所を失っている。
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