ひろ

ファクトリー・ガールのひろのレビュー・感想・評価

ファクトリー・ガール(2006年製作の映画)
3.8
アンディ・ウォーホルのミューズであり、60年代のファッション・アイコンとして注目されたイーディ・セジウィックの生涯を描いた2006年のアメリカ映画

生きている間に最も成功した芸術家アンディ・ウォーホルと“ロックの神様”ボブ・ディラン。60年代を代表する2人のカリスマに愛された女性イーディ・セジウィック。彼女の28年の生涯で、最も輝いてた時期と転落する人生が描かれている。

ウォーホルの映画に出演し、ヴォーグなどのモデルとして活躍して、様々なファッション・スタイルを生み出し、女性はみな真似をした。ミック・ジャガー、ルー・リード、トルーマン・カポーティなどのアーティストが集まるウォーホルのファクトリーで、ポップ・カルチャーの最前線を生きた女性。花火のように一瞬の美しさとともに散った女性の短い生涯は濃厚だ。

ファクトリーやチェルシー・ホテル、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドなど、60年代ポップ・カルチャー好きにはたまらないワードがたくさん出てくる。60年代のポップ・カルチャーと音楽を存分に味わえる作品だね。

イーディ・セジウィックを演じたのはシエナ・ミラー。彼女自身、ヴォーグのモデルも経験してて、女優でもあるからこの役にハマっていた。イーディの力強さと弱さを演じた演技は、シエナ・ミラーのキャリアでも一番いいかも。

アンディ・ウォーホルを演じたのはガイ・ピアース。天才は大体変人が多いが、アンディ・ウォーホルも例にもれない。そんなウォーホルを個性派俳優ガイ・ピアースが見事な怪演。こういう役をやらせたら完璧だね。

ビリー・クイン役をヘイデン・クリステンセン。ビリー・クインとなっているが、これはボブ・ディランのこと。若きカリスマの雰囲気が出てた。今回のヘイデンはかなりかっこいい。

ボブ・ディランとルー・リードは、この作品が事実とまるで違うと言い公開中止を訴えた。(だからビリー・クインになっている)当時のアーティストってみんなドラッグやりまくりだから、彼らの記憶も怪しいけどね(笑)

60年代のポップ・カルチャーと音楽、何よりも自由な空気を味わいたかったら、この作品はなかなかいいんじゃないかな
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