Hiromasa

椿姫のHiromasaのレビュー・感想・評価

椿姫(1937年製作の映画)
3.5
大岡昇平は、グレタ・ガルボには「美と知性とエロチック」そして「隠し味として母性的なもの」があったと言っている。その辺はよくわからないが、アンナカレーニナより椿姫の方がハマり役なのは確かだ。だいたい椿姫のオチは女が男のために身を引いて死ぬというもので、あまり良い話ではない。しかし、キューカーの演出は全くセンチメンタルではないので素晴らしい。キューカーの映画に出てくる人たちはひたすら現在の幸福に向かって生きているのだ。ところで、ガルボはよく人と話してる時、何の理由もなく視線を逸らして眉をひそめたりするのだが、大岡が「知性」を読み取ったのはそこだろう。
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