はるごたつ

トニー滝谷のはるごたつのレビュー・感想・評価

トニー滝谷(2004年製作の映画)
3.6
原作は村上春樹。
質の良い文章の本を読んでいると脳が文字にとろけていって本に入り込んでいく感じあるじゃ無いですか。あれがこの映画でもありました。まるで小説の世界にとろけていく感じ。小説のような映画でした。僕はハルキストでは無いけどうわぁ村上春樹っぽいなぁと思いながらその世界に空気に凄く満足しました。1つの映像芸術としてかなり完成度が高かった

映像はトーンを大分落としていい色。スクロールする画が絵画の様で画がとにかくシンプル。セリフも少ないし音楽も少ないし無機質だけど必要な所以外はほとんど削ぎ落とした凄く繊細な作り
全てが上手くこの小説のような世界観を作り上げている
西島秀俊の声はなんか気持ち悪くて個人的に。個人的にそんなに好きじゃないんだけどこの映画の吐き気がするような孤独を感じる映画の雰囲気にはマッチしてたから良かったかなぁ..^_^;)

"服を着るために生まれてきたような人"のセリフは正にその通りだなってくらい宮沢りえは服を上手く着こなしてた。普段女性の服とかあんま見ないけど色んな服があるんだなーって。1つ1つの服の質感とか上手く撮れてて綺麗だなーと思ったし服を着る宮沢りえがもっと綺麗だなーと思った。

暖かさを知った時に初めて感じる孤独への恐怖と不安の感覚は分かるなぁ。妻を亡くして押し寄せる孤独と初めての暖かさを忘れる事は出来ず妻に似た人を求めるトニーの感情はとても人間らしい。弱いけどやっぱり人間らしかった