どう点数をつけていいのか分からない、かなり高度な映画だった。きっと映画に造詣の深い人にとっては、すごく共感できる作品なのかなと思う。ここにしかない空気感があって、今まで経験したことのない感情に支配されるような心地がした。
ところどころ村上春樹らしき独特の言葉の使い方に度肝を抜かれる。坂本龍一のシンプルでありながら印象に残るピアノの音に耳を持っていかれる。壁を挟んで時間の流れを表す演出が斬新。ナレーションがいい声だと思ってたら西島秀俊さんだったとは驚き。ストーリー展開の分からなさに不思議な緊張感があった。一言では表せない。でもなんとなく癖になる。そんな作品だった。素敵。